2010年02月17日

[パレスチナ自治区] オリーブ畑を越えて

    

張り詰める空気は緊張そのもの。

それに人の高揚した気分が混じり込む。

オリーブ畑をはるか横切る目に見えない国境線を越えて、

二つのグループは距離を縮めてゆく。

毎週金曜日のデモ。

       



イスラエルの兵士は言う。
「テロリストになるやつらがいなければ俺達は平和なのに」
パレスチナ住民は言う。
「あいつらが攻めてくるから、俺達に未来はない。行き場もない。あいつらがいなければ・・・」

平和を奪い合って争いが生まれ、憎しみの連鎖がさらにそれを加速させる。

いったい「平和」とは何か。

「自分さえよければいいのは、平和ではない」
もしそう言うのであれば、今の日本はどちらになるだろう。
    


2010年02月14日

[パレスチナ自治区] 無機質でアートな壁

       


パレスチナ自治区を歩いた。

壁沿いを歩いた。
(イスラエル政府が自爆テロ防止のためという名目で、パレスチナ自治区を囲っている壁。しかし、実際は停戦ラインをはるかに超えて自治区領域に食い込んでいる。)

そいつは当たり前のように立っていた。
壁の向こう側を覗き込む隙間は99%ないと言っていい。
登り超えることはまずできないだろう。
空の青の下で、そいつはとても無機質に見えた。
冷たいような、絶対的な力の存在のようなものを感じさせる。

こんなもの一体どうやって建てているのか。 ベルリンの壁はこんな感じだったのか。

これに囲まれて、ごく限られたエリアで生活し、外に出れないというのはなんなんだ。
パレスチナ人はこの壁を見るたびに、何らかの感情を押さえ込んでるかもしれない。

ボクはそれを簡単に通り越した。
それがチェックポイントかどうかハッキリしないまま。振り返ったときにそれだと気づいた。

自治区にいる人々は自由に聖地エルサレムに行くことを許されていない。通るにしても、厳重なセキュリティーチェックと許可証が必要となる。
「オレはエルサレムにいけないんだ」
と売店の前で声をかけてきた男が言った。   


2010年02月11日

遺跡とおじさんのコントラスト

   

朝、パルミラの遺跡を歩くことにした。
昇ってすぐの太陽が壊れた柱を使って、光と影のコントラストをつくっている。
冷たい空気で手を冷やすのでポケットに手を入れ、人のいない道を歩く。

ぶっ壊れた遺跡を時たま立ち止まったり、座ったりして眺めた。岩を叩いたり、つかんだりすると硬い。もちろんビクともしない。少しのことでは倒れず、今の今まで残ってきたことに納得する。

そうやって歩いていた。
すると、遠くの方におじさんが向って歩いてきているのを見た。見た感じは現地の人。
<ここの人も朝の散歩なんかするんだなー>

すれ違いざまに挨拶を交わす。いつものようにお決まりの会話もついてくる。
「どこの国から来たんだい?」

「日本だよ。」

「へぇ。一人かい?」

「うん。そう。」

「結婚は?」
<いきなりそれかい!>
「いや、まだだよー。」

「ユー、サ○どう?」

「ん?サ○?何それ。」

「ユー、サ○だよ。」

「アラビア語は分からないんだ。」

すると、おっさんはジェスチャーで何やらワイセツ的な動きをした。
意味が分かった。
<おっさん、朝から下ネタジョーキンですか!おぬしも好きよのぅ。>

「あいにく、わしぁ男なんでね」
と通り過ぎる。

「ユー!」
おっさんがまだ言ってる。振り返ってその顔を見ると高校の学級委員長K君くらいマジメな顔でこっちを見てる。
ボクは「バイバーイ」と手を振った。

「ユー!!」

「ユー!!!」

「サ○サ○」(ちっちゃい声)

<おい。おっさん本気じゃん!怖っ!ってかジャニさん?>
ボクは足を速めた。少し行ってから振り返ってみた。

諦めたようで、おっさんも反対側に歩き出していた。と、おっさんは振り返って残念そうな顔をしてみせた。そしてまたトボトボと歩いていった。そしてまたこっちを見た。

<おいおい。朝はさわやかな散歩にしようよ>


パルミラ遺跡で見た空はボクの着ているダウンジャケットと同じくらい青かった。  


Posted by hiyo at 23:59Comments(1)シリア

2010年01月31日

2009年後半は○○したhiyo

明けましておめでとうございます! っていうのには遅すぎる今日です!

2010。

区切りのいい数字だ。どうりで餅を食いたくなるわけです。

昨年のうちに2009年後半の旅人活動報告を書こうと思っていたのだけど、できなかったので今しちゃいます!そうすりゃオイラもすっかり2010年の波に乗れるわけです。

○●○●○●○●○●○●○●○●
     
①写真展『世界を歩いて』(2009/5/2~5/6)
静岡県富士市立図書館ギャラリーにて。300人以上のご来場をいただきました。ありがとうございました。


     
②『多言語絵本読み聞かせ!』(2009/6/11)
 静岡県三島市内小学校にて、学校司書さんとALTとコラボ企画として日本語・英語・スペイン語の多言語読み聞かせを行いました。オイラの担当はスペイン語!旅でちょこっと覚えたスペイン語も何とか人のお役に立つことができたようです。ちなみに、絵本は「はらぺこアオムシ」。知ってます?


    
     
 ③『多言語絵本読み聞かせ!第2弾!』(2009/11/5)
 前回の読み聞かせに好評をいただいたため、第2弾を行う運びになりました。ご存知の方も多いと思いますが、今小学校では英語教育が入ってきています。ですので、今回は簡単な英語とスペ語の挨拶を5・6年生と一緒に声に出してみる活動を行いました。


     
④『旅のフォトブックをつくる!』(2009/11/15)
 旅の間に気まぐれで撮っていた白黒の写真をピックアップ。格好つけたものをつくっちまいました!


     
⑤『小学校に旅人がやってきた!(旅の講演)』(2009/12/18)
静岡県三島市内小学校にて、オイラの旅の話を子ども達の前ですることになりました。教室の中に焚いたインド産のお香とボリビアで買ってきた音楽で異国感を演出してみました。また、旅の間集めていた、各国のお札やアイスのパッケージに対する子どもの反応は見ていて楽しかったです。 




○●○●○●○●○●○●○●○●

と、旅での写真や体験を誰かに伝える機会をいただいてきました。
準備にはそれなりに手間かかるけど、「ありがとう」って言葉や子どものキラキラした顔を見るとやってよかたなぁと思います。


はらはらドキドキする話を誰かにできるように、自分自身がもっともっとドキドキな体験をしていきたいなー。
今年はもうちょっと自分の時間をうまく作りたいなー。オモシロイ人と出会いたいなー。


では、外は風が強いので、今日はこの辺で。


あ、今年もhiyoをどうぞよろしくです◎
       


Posted by hiyo at 13:51Comments(0)活動紹介

2009年10月25日

[トルコ] 写真をお願いします

         


ぶらぶらっと町を歩く。アジアとヨーロッパの間、イスタンブール。

露店にいかにも甘そうな蜜を滴らせた食べ物を発見!甘党のボクは一度通り過ぎたのに、見事に後ろ髪を引かれそれを購入!

橋の下、海を前に座って食べることにした。
ボクの前ではおじさんがちょっとずつ場所を変えて海を眺めたり、カップルが寒い冬空なんてお構いなしに素敵な時間を過ごしていたり、釣り竿を先っぽを眺めている人がいる。
そんな人たちを見ながら、手に持っているものにかぶりつく。

数人の女の子のグループが通った。
何やら代わる代わるボクの顔をチラ見してくる。
イスタンブールで外国人が珍しいこともなかろうに。あんまり見てくるので、目を合わせてみた。が、

すぐにそらされた!

なんなんだよー。気になるなら声をかけてくれればいいのに。日本にいる外国人もきっとこんな思いをしたりするんだろうなぁ。
再び海を眺めているおじさんに目を移し、海を眺めているおじさんを眺めることにした。

すると、さっきの女の子たちが寄ってきて声をかけてきた。
「あの、写真を・・・」

「あ、いいですよー。」
と引き受ける。
なんだ、写真を撮ってほしかったのか。お安い御用です。
立ち上がってカメラを受け取ろうとすると、
「じゃあ、もっと寄って!うん、くっついて。」

えっ!?ボクを撮りたかったの?・・・えぇ、どうも。
こんな時はどんな顔をすればいいのでしょう。
二回の撮影の間、なんとなくカッコつけてみた。うん、いい気分だ◎


その後、アジア側の大陸に渡ろうと船に乗ると、またもや声をかけられる。
「写真を一緒にとらせてくれないか?」
今度は青年二人組。

オモシロトルコジン。   


Posted by hiyo at 23:15Comments(1)トルコ