2010年02月11日
遺跡とおじさんのコントラスト


朝、パルミラの遺跡を歩くことにした。
昇ってすぐの太陽が壊れた柱を使って、光と影のコントラストをつくっている。
冷たい空気で手を冷やすのでポケットに手を入れ、人のいない道を歩く。
ぶっ壊れた遺跡を時たま立ち止まったり、座ったりして眺めた。岩を叩いたり、つかんだりすると硬い。もちろんビクともしない。少しのことでは倒れず、今の今まで残ってきたことに納得する。
そうやって歩いていた。
すると、遠くの方におじさんが向って歩いてきているのを見た。見た感じは現地の人。
<ここの人も朝の散歩なんかするんだなー>
すれ違いざまに挨拶を交わす。いつものようにお決まりの会話もついてくる。
「どこの国から来たんだい?」
「日本だよ。」
「へぇ。一人かい?」
「うん。そう。」
「結婚は?」
<いきなりそれかい!>
「いや、まだだよー。」
「ユー、サ○どう?」
「ん?サ○?何それ。」
「ユー、サ○だよ。」
「アラビア語は分からないんだ。」
すると、おっさんはジェスチャーで何やらワイセツ的な動きをした。
意味が分かった。
<おっさん、朝から下ネタジョーキンですか!おぬしも好きよのぅ。>
「あいにく、わしぁ男なんでね」
と通り過ぎる。
「ユー!」
おっさんがまだ言ってる。振り返ってその顔を見ると高校の学級委員長K君くらいマジメな顔でこっちを見てる。
ボクは「バイバーイ」と手を振った。
「ユー!!」
「ユー!!!」
「サ○サ○」(ちっちゃい声)
<おい。おっさん本気じゃん!怖っ!ってかジャニさん?>
ボクは足を速めた。少し行ってから振り返ってみた。
諦めたようで、おっさんも反対側に歩き出していた。と、おっさんは振り返って残念そうな顔をしてみせた。そしてまたトボトボと歩いていった。そしてまたこっちを見た。
<おいおい。朝はさわやかな散歩にしようよ>
パルミラ遺跡で見た空はボクの着ているダウンジャケットと同じくらい青かった。
Posted by hiyo at 23:59│Comments(1)
│シリア
この記事へのコメント
写真を見るかぎりだと全く人がいませんが、朝だと人がいないんですか?
Posted by にし at 2010年02月14日 16:55