2009年09月08日
[チベット自治区] もう一つの

バスはラサへと続いてゆく。
道が崖っぷちだということの他に、この道はもう一つドキドキさせるものがある。
それは6~7箇所に及ぶ検問。
バスが公安の前を通ると、警察官が「問題はないか?外国人はいないか?」とバスのドライバーに質問する。
そう、実はこの道は『外国人非開放地区』。
もし見つかれば強制退去の上に罰金をくらう。
しかし、その道から見る景色はとてもキレイな上にラサへと向かう一番安い方法であった。
検問の多くはドライバーが「大丈夫だよ」とウソをついてくれ通過することができた。
しかし、何度か警官がバスの中に入ってきた。
検問に着くとボクは決まって顔を半分隠して寝たふりをする。
通り過ぎるのを目をつぶって待っていると、外の声が中に入ってくる!
ボクの体はこわばる。
なんと運が悪いことに、ボクのシートは一番前な上に、入り口の反対側。つまり、外から入ってきたら一番最初に視界に入る。
声が真横で聞こえ、乗客に声をかける。
布団の中の手は汗をにぎった。
いくら中国人らしく変装していても、声をかけられたら終わりだ。
なので、もし声をかけられたらどう対応するかを頭に巡らす。
「ブルルル・・・」
しばらくすると、バスのエンジン音が再び聞こえ、動き出すのを感じた。
無事通過。緊張が解ける。
恐る恐る窓の外をのぞくと、警官が外で話しているのが見えた。
最後の検問を通過してから分かったのだけど、バスの中にはボクを含め日本人3人と韓国人のカップルが潜んでいた。
彼らはおよそ2時間監禁されたり、隠れている布団をはがされたりしたようだった。
それでもなんとかボクらはラサに到着した。
Posted by hiyo at 23:44│Comments(0)
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