2010年05月02日
[エジプト] 見えている月


ダイビング講習の最終日にナイトダイブをした。
当たり前かもしれないが、夜の海に潜るのは初めて。普段ならそんなことちょっと怖くてできない。真っ暗な水の中に生き物がいるというのを思うとさ・・・。
インストラクターの後を追って水に入っていくとそういった怖さは感じなかったが、水面を通り過ぎる風に体が冷えた。
水中ライトを手に持ち、下へと潜っていく。
静かな世界と思いきや、自分のレギュレーターから出る泡の音が常に聞こえている。息をとめて耳をすましたなら音の少ない世界だということに気づいたかもしれない。
ライトで底を照らすと、眠った魚が動きをとめて体を流れにまかせている。光を向けると面倒くさそうに暗い場所へ移動した。
水面の方を見上げると、以外にもぼんやりと明るい。満月より少し欠けた月の光が海の中まで届いている。知らなかった世界だ。
遠く、海の奥を見ると真っ暗闇が続いている。
インストラクターの合図でライトを消した。
僕の目の前を泳ぐダイバーのフィンから光の粉が舞った。
その光はずっと光を灯しているわけでなく、5秒もすると薄っすらと消えていった。自分の顔の前で手をあおぐと、黒い世界にいくつも光が現れる。星みたいだった。流れ星より、ふわふわ星といったところか。
光の色はほんのりと緑色のような気がした。
夜光虫の海。